文書作成日:2024/11/28
2025年4月から施行される改正育児・介護休業法の内容
改正育児・介護休業法が2025年4月と10月に段階的に施行されます。そこで今回は2025年4月から施行される主な内容を、就業規則等の見直しが必要な事項と、新たに始まる介護離職防止のための取り組みに分けて解説します。
[ 1 ]
就業規則等の見直しが必要な事項
今回の育児・介護休業法の改正に伴い、就業規則等の見直しが必要な事項としては、子の看護休暇の見直し、所定外労働の制限の対象拡大、介護休暇を取得できる労働者の要件緩和の3点があります。
- 子の看護休暇の見直し
現行の「子の看護休暇」は、子どもが病気やけがをしたときの世話や、予防接種・健康診断を受けさせる際に取得できるものですが、これらの取得事由の他に、感染症に伴う学級閉鎖等になったときの世話や入園(入学)式、卒園式への参加が追加されます。これに合わせて休暇の名称も「子の看護等休暇」に変更となります。また、対象となる子どもの範囲が、現行の小学校就学の始期に達するまでから、小学校3年生修了までに延長されます。さらに、労使協定の締結により除外できる従業員の範囲について「引き続き雇用された期間が6ヶ月未満の従業員」が廃止されます。 - 所定外労働の制限の対象拡大
現行、3歳に満たない子どもを養育する従業員は、請求することで所定外労働の制限(残業免除)の制度を利用できますが、この制度の対象となる従業員の範囲が、小学校就学前の子を養育する従業員にまで拡大されます。 - 介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
労使協定の締結により除外できる従業員の範囲について「引き続き雇用された期間が6ヶ月未満の従業員」が廃止されます。この廃止の内容は子の看護休暇と同様のものです。
[ 2 ]
介護離職防止のための取り組み
[雇用環境整備]
雇用環境整備については、介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるようにするため、以下の1〜4いずれかの措置の中から1つ以上を選択して実施する必要があります。
- 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
- 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
- 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
- 自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
[個別の周知・意向確認等]
個別の周知・意向確認等については、「介護に直面した旨の申出をした従業員に対する個別の周知・意向確認」と、「介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供」の2つがあります。
- 介護に直面した旨の申出をした従業員に対する個別の周知・意向確認
従業員が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、会社は介護休業制度等に関する事項について情報提供を行う必要があります。情報提供を行う事項は、以下の3つです。この情報提供を行う際、従業員が介護保険制度の内容を同時に知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましいとされています。- 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容)
- 介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部等)
- 介護休業給付金に関すること
- 介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供
従業員が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、会社は介護休業制度等に関する事項について情報提供を行う必要があります。情報提供を行う事項は、以下の3つです。この情報提供を行う際、従業員が介護保険制度の内容を同時に知ることが効果的であることから、介護保険制度についても併せて周知することが望ましいとされています。- 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容)
- 介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部等)
- 介護休業給付金に関すること
介護の問題は近年深刻化していることから、過去に従業員が介護休業等を取得した事例がなく、今回、初めて介護休業を始めとした両立支援制度について詳しく知るという担当者も少なくないと思います。厚生労働省のホームページに掲載されている資料等を参考にしながら、早めに準備を進めましょう。
■参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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